「職人めし」とは

「職人めし」は日本の伝統・文化に携わる職人さんへとインタビューし、そのこだわりを「仕事」「料理」両面から紹介するメディアです。インタビューした職人さんから次の職人さんを紹介してもらうことで、職人同士だからこそわかる、その道のプロを探し出します。

現在は職人とレシピの紹介がメインコンテンツですが、将来的には本サイト内でこだわりの品を購入できるような仕組みを予定しています。ぜひ、職人のこだわりを記事と製品、そして料理レシピとともにお楽しみください!


「職人めし」が作り出す日本文化の新たな価値──AnyScence・増谷取締役インタビュー

本サイト「職人めし」では日本の伝統・文化を支える職人をクローズアップし、そのこだわりを「食」とともに取り上げています。またインタビューした職人さんから次の職人さんを紹介してもらうことで、こだわりを持った多くの職人さんに注目を当てていきたいと考えています。

今回は「職人めし」を立ち上げたAnyScence・増谷恵梨子取締役に、「職人めし」の目指す内容を編集部がインタビューしました。

AnySence・増谷取締役

職人さんのこだわりを食の観点からアプローチしたい

つい見過ごしがちな職人のこだわり

──「職人めし」のサイト企画を立ち上げたきっかけは何だったのでしょうか。

増谷「たとえば日本酒にはさまざまな銘柄がありますよね。居酒屋などでの飲み会で『おいしい!』と思ったものもあると思います。ただそのお酒を実際に購入する機会って限られてしまうのが実情です」

──はっきり銘柄を覚えていなかったり、日々の忙しさのなかで忘れてしまいますものね。

増谷「有名な銘柄はもとより、地場の日本酒にも職人のこだわりがつまっているはずです。でもそれらのこだわりに注目されることは少ない。このこだわりをしっかりとクローズアップしたいんです

職人は作る製品にこだわりを持つ一方、私たち消費者には職人の顔が見えづらく、そのこだわりを知りづらい状況。「なんとなく」で選んでしまうことも多いのではないでしょうか。
こうした実情を変え、しっかりと職人さんに注目する環境が大切だと増谷さんはいいます。

その道の職人なら「食」にもこだわるはず

ではなぜ、職人さんの食事に注目しようと思ったのか、増谷さんに聞いてみました。

──なぜ職人さんの「食」を取り上げようと思ったのですか。

増谷「たとえば日本酒を作る杜氏(とうじ)さんなら、その日本酒を最大限に味わえる『こだわりの一品』があるはずです。それはほかの分野でも同じ。こだわりを持つ職人さんなら、もっとも身近といえる『食』にも自分なりのこだわりがあるはずだと考えました」

自分のため、家族のため、形は違えども何かしらのこだわりを持って料理する人は少なくありません。外食が中心という方でも、行きつけのお店の「こだわり」に触れていることでしょう。

「職人のこだわりめし」から日本文化を見つめる

──「職人のごだわりめし」からわかることは何でしょうか。

増谷「職人のこだわり、それ自体が日本の伝統・文化を支える大きな要素です。けど自分が知らない分野は伝わりにくい。『食』なら、私たちも1日3回、何かしらの形で触れています。そのこだわりなら多くの職人さんへインタビューできますし、皆さんにも伝わりやすいと考えています」

生きる上で必要不可欠な「食」へのこだわり。「職人めし」では家庭で作れる特製レシピとともにご紹介していますので、ぜひこだわりを再現してみてください。

日本の伝統・文化を見つめ直す

「当たり前」を「すごい」に変える

インタビューでは「職人のわざ・こだわり」について、熱く語ってもらいました。

増谷「当たり前だと思っていた日本の伝統・文化が、じつは職人さんがいなきゃ成り立たないなんてことも多々あります。このような職人のわざやこだわりを『すごい!』に変えていくことが大切だと思っています」

──自分でやってみたら「当たり前」ではなかった、ということも多いですからね。

増谷「だからこそ、多くの職人さんを紹介していきたいですね。職人さんから職人さんへ、橋渡しがつながっていけばよいと思います」

国内外で注目される日本の伝統・文化

日本の伝統・文化を見つめ直すにあたり、海外からの注目についても話が及びました。

増谷「日本の伝統・文化には国内外から注目が集まっています。たとえば染め付け。職人のわざに少しでも触れようとする体験は人気がありますよね」

日本の伝統・文化は国内外から注目されており、職人のわざを見学しにやってくる海外の観光客も少なくありません。「日本刀」「能・歌舞伎」といった伝統芸から「下町文化」「ポップカルチャー」にいたるまで、日本文化について取り上げた海外のテレビ番組も多く制作されています。

増谷「しかし伝統産業に携わる方たちは全盛期の2割あまりまで落ち込み、生産額にいたっては960億円と2割にも満たない状況です。このままでは日本の伝統文化はなくなってしまうかもしれません」

データ元:原岡知宏(日本工芸産地協会)「伝統ものづくりに対する評価の変革と期待への提言」、『ほくとう総研情報誌NETT』第109号、2020年7月、16-19ページ
および 伝統的工芸品産業振興協会webサイトより作成(2020年11月10日閲覧)
※2007年はデータなし

──せっかくの日本の強みが、失われてしまう危機ですね。

増谷「海外からの評価が高い一方で、衰退への危機感が非常に強い。このギャップをなんとかして、職人さんにもっと活躍して欲しいと感じます。だからこそ、職人めしを立ち上げました」

「職人めし」が目指すこと

本サイト「職人めし」が目指すことが何か。増谷さんにお聞きするとまず上がったのは「日本中の職人たちを主人公にしたい」という想いでした。

日本中の職人たちを主人公に

増谷「日本文化を支える職人さん達を維持していくためには、その職人さんのファンを作り出すことが大切だと思っています。そのためには職人さんひとりひとりに注目する、つまり日本中の職人さんたちを脇役から主人公へと変えていく必要があるんです」

スーパーや百貨店といった小売店では製品に注目されることが多く、職人さんはあくまで脇役。その背景にあるストーリーを消費者である私たちは知りません。そのスタイルを変え、直接日本文化を支える職人さんの話を聞く。それが大切だといいます。

日本文化の新たな価値を再創出

──職人さんたちを主人公に、ですか。

増谷「職人さんによって日本の伝統・文化は支えられています。だからこそ、職人さんたちのこだわりに注目することで日本文化の新たな価値が見えてくると思うんです」
増谷「日本酒の杜氏(とうじ)さんを例に挙げると、なぜ職人を目指したか、そして一人前になるまでの困難な修行の道があります」

──その血と汗の結晶が『こだわりの逸品』を作り出している、と。

増谷「職人と私たち消費者の距離が近づくことでこうしたこだわりは見えてきます。『こだわり』が見えてくることで、消費者にとっても新たな価値が再創出されるわけです」

日本を国内・グローバルで再成長させる足がかりに

「職人めし」にはそれだけでなく、日本の伝統・文化を海外から注目してもらう役割を果たしたいと増谷さんはいいます。

増谷「『職人めし』では食へのこだわりとともに、その職人の本業の伝統・文化に対するこだわりもインタビューしていく予定です。なので海外からも『職人めし』の記事を読んでもらい、強い関心を持ち日本に来ていただきたいですね

日本政府は訪日観光客、いわゆる「インバウンド需要」の掘り起こしに力を注いでいます。新型コロナの影響で2020年こそ落ち込んでいるものの、少子高齢化が進んでいる日本経済にとって重要な位置づけとなっています。こうした観光産業としても、職人のこだわりは必要不可欠だという思いが増谷さんから深く伝わってきました。

──最後に、「職人めし」にかける想いをお願いします。

増谷「日本は経済の低成長状態が続き、なかなかその先の希望が見えてこない実情があります。『職人めし』を通じて職人のこだわりを感じ、そのひとつとしてレシピを見て欲しいです。日本の伝統・文化に注目が集まり、グローバルな再成長へつながっていくことを期待しています」

──皆様には「職人めし」でどんな行動を起こして欲しいですか。

増谷「職人めしを通じてぜひ、お気に入りの職人を見つけて欲しいです。そしてその職人のこだわりの結晶である伝統・文化品を手に取ってください。そしていずれは、お気に入りの職人を訪ねにいきましょう。国内外を問わずこうした大きな交流の輪、経済圏を作り出していきたいですね」


本サイト「職人めし」ではさまざまな日本の伝統・文化の職人に取材し、そのこだわりを食とともに取り上げていく予定です。「主人公」職人たちのこだわりの一部を、ぜひ体感してください。

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